大雨後のお散歩にご注意ください。
大雨により川の水が堤防から溢れた場合(外水氾濫)や市街地に降った雨が雨水処理能力を超えて溢れ出した場合(内水氾濫)、雨が止んだあとの散歩には十分気を付けてください。雨水と一緒にガラスの破片や釘などが流れてくる可能性があるため、気をつけないと肢を怪我してしまうことがあり、汚染された水で細菌などの感染を起こしてしまう可能性があります。また濡れた草、水溜りの水にも有毒な物質が含まれている危険性があるため、舐めたり飲んだりしないように気を付けてください。
レプトスピラ症は、ヒトと動物の共通感染症で、感染するとヒトやイヌに重度の肝臓障害や腎臓障害を引き起こす危険性がある細菌(スピロヘーター)感染症です。今までは特定の地域での発生が主でしたが、近年の豪雨災害の増加に伴い、今まで報告がなかった地域でも感染が確認されるようになってきました。水害後の汚染された、まだ濡れた状態の地面を散歩すると感染する危険性があります(乾燥すると感染力は低下します)。レプトスピラ感染症に対するワクチンもありますが、レプトスピラは世界中で役250種類程の血清型(種類)があり、日本でも13種類以上の血清型が確認されていますが、現在日本で流通しているワクチンで予防できる血清型は4種類だけです。またレプトスピラ感染症のワクチンは、他のコアワクチンと違い、接種後1年しか効果が持続しません。レプトスピラ感染症に関して詳しくは国立感染症研究所や厚生労働省のホームページを参考にしてください。
また大雨に関係のある問題としてイヌやネコの音恐怖症や雷恐怖症と呼ばれる問題行動もあります。普段から音恐怖症や雷恐怖症を疑うような徴候がないかよく観察し、少しでも気になることがあれば獣医師に相談してください。音恐怖症や雷恐怖症を持つイヌやネコには雨が降る前から雨戸を閉める、部屋を明るくする、雨や雷の音が聞こえないようテレビなどの生活音を大きくするなど、少しでも安心できる環境を整えると同時に、静電気を防ぐため(イヌやネコは全身を被毛で覆われているため、静電気によるバチッという刺激に驚いてしまいます)被毛を霧吹きなどで少し濡らすか、静電気防止用の服を着せるようにしてあげてください。重度の場合には獣医師にサプリメントや薬を処方してもらっておきましょう。